真鍋大度がこっそり集めているもの「自分の原点。ファミコン以前の任天堂の玩具」(GINZA) - Yahoo!ニュース

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真鍋大度(アーティスト、プログラマー)

15年ぐらい前から集める任天堂製品。1983年にファミコンが発売される前のものばかり。今はネット市場で価格が高騰し、入手困難な貴重なアイテムだ。上のライフルとガンは〈光線銃シリーズ〉の商品。

真鍋大度がこっそり集めているもの「自分の原点。ファミコン以前の任天堂の玩具」(GINZA) - Yahoo!ニュース

「70年代から80年代初頭の、任天堂がファミコン時代に突入する以前のプロダクトを集めています。テクノロジーを使って光を音に変えて遊ぶなど、現在の僕の仕事の原点と言えるようなことを、当時おもちゃの世界で次々と実現していました。その牽引役だったのが開発責任者だった横井軍平さん。十字キーや〈ゲーム&ウオッチ〉、〈ゲームボーイ〉を生み出して大成功を収め、花札やトランプ製造が中心だった会社を、当時の山内溥社長の指揮の下に一大ゲーム企業へと躍進させたすごい人なんです」【写真7枚】初期のラジコン「レフティRX」、「エレコンガ」…真鍋大度のコレクション70年代に大ヒットした〈光線銃シリーズ〉は、銃口から出る光で的を撃ち落としてプレイする。これには太陽電池の技術が応用されているのだとか。「横井さんが残した名言に『枯れた技術の水平思考』というのがあります。僕はこの言葉を入れ墨したいぐらい尊敬し影響を受けています。つまり、最先端ではなく、既に普及した技術を使って、異なる視点や組み合わせでプロダクトや作品を作るということ。たとえば電卓に使われていた機能を利用して〈ゲーム&ウオッチ〉を開発したり、テレビと安価な太陽電池でロボットを制御するゲームを開発したり。入手性が高く使い古された技術を他の技術と組み合わせて、誰も思いつかない方法で新しい遊びを発明した。そこに大きな価値があるんです。この哲学を僕も忘れないようにしたい。技術と斬新なアイディアで数々のイノベーションを起こした任天堂のおもちゃの歴史は、現代を生きる全クリエイターのDNAに刻まれていると思っています」

光線電話LT

一番のお気に入りは〈光線電話LT〉。離れた場所にいる2人がそれぞれ装置を構え、音声をマイクで拾って光に変換し相手に飛ばすことで通話する。最大通信距離400m。真鍋さん曰く「光通信の元祖であるすごい玩具」。真鍋大度(まなべ・だいと)2006年に齋藤精一らと株式会社ライゾマティクス設立。Perfumeの演出技術開発、映像制作のほか、国内外で活躍しメディアアート界を牽引。Photo: Daito Manabe Text: Mari MatsubaraGINZA2021年8月号掲載

最終更新:GINZA

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