日本最高峰のブロックチェーンは、世界最長を誇るあのシステムだった:踊るバズワード 〜Behind the Buzzword(9)ブロックチェーン(3)(1/10 ページ)

「業界のトレンド」といわれる技術の名称は、“バズワード”になることが少なくありません。“M2M”“ユビキタス”“Web2.0”、そして“AI”。理解不能な技術が登場すると、それに“もっともらしい名前”を付けて分かったフリをするのです。このように作られた名前に世界は踊り、私たち技術者を翻弄した揚げ句、最後は無責任に捨て去りました――ひと言の謝罪もなく。今ここに、かつて「“AI”という技術は存在しない」と2年間叫び続けた著者が再び立ち上がります。あなたの「分かったフリ」を冷酷に問い詰め、糾弾するためです。⇒連載バックナンバー

 ―― 江端さん。天皇制とは「与信システム」です。

 この一言を聞いた時、私は目の前に立ちふさがっていたガラスが、いきなり、ひび割れて、砕け散った気がしました。私の中で半世紀以上未解決だった難問が、この一瞬で解決するのを目の当たりにしたからです。


 私の会社の研究部門は、「技術」と名の付くほぼ全分野において、多くの研究員を抱えており、その一人一人がとても優秀です ―― というか、とっても真面目。ほっとけば、勝手に勉強し出して、調べ出して、計算し尽して、資料作り終えてしまう、という感じです(例外も多いですが)。

 ですので、コラムの執筆で分からんことが出てきた時、大抵の場合、その分野のスペシャリストが見つります。いつも、「本当にありがたい」と思っています。

 しかし、私は基本的に「一人飯」を信条とする、典型的な「人間嫌い」です(参考:筆者のコラム)。ですので、私は、大抵の場合、社内の「潤沢な”知の宝庫”」にアクセスする手段がありません。

 ですが、私のコラムの最後に登場する「無礼な後輩」が、どこからか、その「スペシャリスト」――しかも、「私(江端)のぶっ飛んだパラダイムに乗っかる」という厄介な条件を満たすプロフェッショナル ―― を見つけ出してきてくれます(前テーマの、「量子コンピュータ」の、『量子オタクのTさん』にも大変お世話になりました)。私は、大変助かっています。

 そして、紹介された「スペシャリスト」の方々は、例外なくとても親切で、貴重な時間と、長年の研究に基づいた説得力のある知識を、惜しみなく振る舞ってくださいます(参考:著者のブログ。

 今回、私に通貨についてのレクチャーをして下さったのは、匿名希望「地域通貨研究のプロ」の主任研究員のMさん、通称『通貨フリークのMさん』でした。

 今回は、基本的に通貨フリークのMさん(以下、Mさんといいます)から教えて頂いたお話を、私なりに理解(曲解?)してアレンジしたものになります。私では、これだけの知識と知見と考察に至れません。


 こんにちは。江端智一です。

 今回は、「踊るバズワード 〜Behind the Buzzword」の「ブロックチェーン」シリーズの第3回です。

 最近、「ブロックチェーン」という技術から、バズワード批判を行う作業をそっちのけにして、「貨幣(主にビットコイン)に関する信用」の話ばっかりをしているような気がします。申し訳ありませんが、今回も、引続き「貨幣の信用」の話を強行します。しかし、今回の後半でこの「信用」の話を、「ブロックチェーン」につなげる予定です。

 そして、

「ブロックチェーン」とは、工学的プロセスによって生成される「人工信用」である

を導き出します。

貨幣信用のバックボーンは「ジャイアニズム」である

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